友人との二人旅(ヴェネツィア編2)

朝起きて友人に「俺っ耳が聞こえなくなった」。友人曰く、耳っ耳っ!そうだっ、鼾対策の耳栓をすっかり忘れていた。ふたりでゲラゲラ笑いながら一日が始まる。今日から朝食もアメリカン。久し振りだからスペチャーレでオムレツを頼む。

今日(土曜日)はブラーノ島まで行くことにする。
フェッロヴィア(サンタルチア駅のヴァポレットの乗り場名)からF.te.Nove(フォンダメンテ・ノーヴェ)まで行き、ブラーノ行きに乗り換える。F.te.Noveからでも目的地まで約40分。ブラーノは土曜日の割には観光客が少なかった。ここでも面白い光景が目に付く。60歳~70歳くらいまでの年配の人たちが4.5人で輪を作ったようにし、全然動かずに話をしている。そのグループが町のあちこちで、まるで時間が止まっているような長閑さを感じる。裏通りに行けばメルカートがあるけれど、決して派手なものではないし、買いたいものは何一つない。一応、この島はレースが有名ということで、訪問の思い出に、小奇麗なお店でテーブルクロスを1枚だけ購入。別のショップに立ち寄ると可愛いリモンチェッロの瓶が目に付き、店の飾りに買う。その店で、毎度のように、美味しい店を・・・・?と聞くと、店の前のトラットリア ダ ロマーノと言う。折角だからその店に決め、開店時間を店で確認し、前のバールで待つ。天気も良いし気持ちが良い。

開店。
店の雰囲気も良いし、カメリエーレも感じが良い。ブラーノ島のお店に来てるという気分になった。さて、メニューはアンティパストにミックスサラダ、ムール貝のワイン蒸し、プリモに海の幸のスパゲッティー、またしてもヴォンゴーレ、セコンドに舌平目のムニエル、デザートに胡桃のジェラートとエスプレッソ。友人には相変わらず、特注のカッフェ コン ギアッチョ(何のことはない、アイスコーヒー)。舌平目は小さめのを2匹にしてくれて、目の前でのサービス。二人で分けて食べて丁度良かった。私の店でも時間があれば、お客様の目の前で骨を抜き、召し上がりやすいようサービスすることがあるが、今回はサーバーでの新しい捌き方が勉強になる。
食事を終え、キッチンの写真を取らせて頂くが、残念ながらピンボケ。確認しとけばよかった。ブオン・リコルドのお皿も沢山飾ってある、来て良かった店だった。

帰りに、サンマルコで下船し、また友人の買い物にお付き合い。途中でトイレに行きたくなった。最近の公衆トイレの利用料は10エウロ(今回のレートで127円程度)。イタリアの旅に経験ない方の為参考までに、イタリアはトイレが少ないところです。普通、小さなお店でトイレを使用させてくれることは先ずありません。ホテルやデパートにはありますが・・・バールに寄った時などに利用されることをお勧めします。あとは有料の公衆トイレですが結構高い。そして、10エウロの硬貨は常に持っていたほうが良いですよ。

歩き疲れて、少し休みたくなった。折角だから以前泊まった事があるホテルでお茶することにした。このホテルはハリウッド映画オンリーユーのロケ地にも使われている豪華なホテル・ダニエリで、優雅なお茶タイム。
少しお土産を買い込み、また友人の買い物に付き合う。
結構時間が過ぎ、ヴァポレットで帰ろうと乗船所に行くと沢山の人が並んでいる。仕方なく並ぶが、かなり時間が掛かりそう。船が着いても船内には乗船客が沢山で、あまり乗り込めない。後ろの列にもビックリするほどの人の山。途中で水上タクシーで帰ろうかと思い、ヴァポレットの職員を見つけ、ロープ越しにスタッツィオーネまでタクシーは幾らするのか尋ねる。しかし自分はわからない、向こうで直接交渉するように言われた。列を抜けるのも大変だし、折角時間をかけて並んだので結局ヴァポレットで帰ることになる。
ホテルに帰って、夕食はホテルお薦めの近所のリストランテにする。一度はメストレーで食事をするつもりではいた。
そのお店は、他に3組の年配のご夫婦のお食事会一卓だけであった。

メニュー
ビール、白ワイン、水
海の幸(生)の盛り合わせ
グランゼオラのボリート
烏賊の墨煮ポレンタ添え
海の幸と野菜のフリット
友人用のカッフェ コン ギアッチョ
カッフェ
シチリアでも一度あったが、嬉しいことにこの店のお皿は私の店と同じ物だった。
食事を終えメストレーの寂しい通りを歩いて帰る。

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フォンダメンテ・ノーヴェで親切に教えてくれた人

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ブラーノ島内

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クロスを買ったお店で、とても豪華な商品が2階にある。

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トラットリア ダ ロマーノ前

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とても大きい新鮮なコッツェで美味

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今の時期はイタリアでもアサリは小さい。フルッタ ディ マーレのスパゲッティーは麺の状態が美しく写っていないので省略

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舌平目のサービス中

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身もしっかりしていて、味付けも良かった。

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何故かジュリア・ロバーツが・・・

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ピンボケ写真ですが・・・・雰囲気だけでも・・・

友人との二人旅(ヴェネツィア編1)

今日はヴェネツィアへの移動日。駅の中のマーケットでサンドイッチとパック入りのジュースを買い込み、お昼前のES(ユーロスター)で目的地(ヴェネツィア・メストレー)に向かう。車内は満席だが、車窓は川や森、葡萄畑にオリーブの木などが目を楽しませてくれる。約4時間半の時間もすぐに過ぎメストレー駅に着く。ホテルは駅の正面で、歩いて2分。ローマでのホテルにガッカリしたので、今度も余り期待はしていなかった。ロビーはきちんとしていて少し安心。チェックインを終え部屋に入ると、ローマとは比較にならない良い部屋。4日間リラックスして過ごせそう。手と顔を洗い私は直ぐに駅に行き、またしてもアウトブスとヴァポレット(水上バス)の3日券を二人分購入。ついでにローマで買えなかった時刻表も買いたかったが、ここでもなやはりない。部屋に帰り、夕方までまだ時間があったので、すぐに友人と駅前からバスでローマ広場(サンタルチア駅のバス停があるところ)へ向かう。

着いて、高さの急な橋を歩いて渡っていると、かなりのご老人夫妻が大きなスーツケースと中くらいのを二人とも持って上がっている。お爺さんの方は上に着いていたが、お婆さんは、5メートル位しか登っていないところで泣きそうな顔で立ち往生。大きな荷物は自分でもゆっくり入れる位の大きさ、やはり日本人として知らぬ振りは出来ない。私が引っ張ってもかなり重い荷物であった。大変感謝されて良かったが、この方達の帰る時、誰かお手伝いしてあげてくれるだろうかと余計な事まで考えてしまう。

駅に行き、一時間くらいかかるが、歩いてサンマルコまで行こうか?と友人に聞くと、足が痛くて歩けないという。ヴァポレットで向かう。私は中で座っていたのだが、友人は外で風に当たりながら景色を楽しんでいた。

先ずはサンマルコ寺院を見てもらおうと並んでいたが、前の7.8人の若人たちの中の二人がタバコを吸っている。その上、寺院の入り口でポイ捨て。昨今の日本では、列の中でタバコを吸う事でも非常識だが、神聖な寺院の前での、その行動には、ただ呆れるばかり・・・・。

数年前3人の友人と訪れた時には丁度、世界三大カーニバルのひとつ、ヴェネツィア・カルネヴァーレが開催中。あの時の人の多さは本当に凄かった。たまたまサンマルコ寺院の真横のこじんまりとした良いホテルがとれたのもラッキーだった。その時の事は、いまだに友人たちの良き思い出として残っているらしい。寺院から迷路のような細い道を散策し夕食の場所を探す。友人は切り売りしているピッツァが食べたいらしいが、何せ食べ歩きの旅は贅沢にもお腹を空かせるのに一苦労。そこで立ち喰いのピッツァなんか口にすれば、また一食分犠牲にすることになる。時間が早く、良い店に行きたかったのだが、少々疲れ気味で仕方なくピッツァを出しているレストランに入り夕食を終える。ピッツァは余り感心しないが、他はまあこんな物だろう(収穫なし)。食事を終え、リアルト橋まで歩いて帰り、そこからはヴァポレットに頼ることとする。友人は歩きながら、後日の買い物の為に途中のショップをチェックしていた。サンタルチアからはFS(イタリアの国鉄)で帰ってみる。今夜もよく歩いたので熟睡。

(途中ですが)
ハワイの熊ちゃんへ
クリスマスカード届いたよ!ありがとう!
先日、ホノルルマラソンの時、高さんがお世話になりました。
そちらでブログ見てくれてるそうで嬉しいです。
帰国した時には、またゴルフしようね。
楽しみにしてます。 アロハ~!

友人との二人旅(ローマ編3)

今日もテルにミ駅のバールで朝食が始まる。帰りに友人が出店で売っている青リンゴと洋梨が食べたいと言い出し、リクエストにお応えし、買い込みホテルに帰る。コンチネンタルブレックファースト用のテーブルに着き、ナイフとフォークで皮を剥き、食後のデザート第2弾、味は期待はずれ。最近の日本で頂くフルーツって本当に美味しくなり過ぎましたよね。

準備後、少し雨模様の中フラスカーティに向かう。フラスカーティーはテルミニ駅から電車で30分くらいの場所。高台にあり白ワインの有名な町(敢えて街と表現したくない)です。ホームから雰囲気のよい階段を登り、上がっていくとローマが一望でき、生活感の溢れる場所で、とても落ち着けます。東京近辺でシェフをしている方たちが修行したお店、リストランテ カッチャーニがここにあり、この町を知ることになりました。
特に小熊シェフの関係では大変お世話になっていました。

街を歩いていると、あちこちで井戸端会議があっていて、地域のコミュニケーションが非常に厚く微笑ましい光景です。広場の工事中の側で、時間をかけてゆっくりと焼かれたのでしょう、美味しそうな肉の塊が目に付く。人懐っこい小母さんがそれを削ぎ切りし、量り売りをしています。ポルケッタですか?と聞くといかにも嬉しそうに、二人に少しづつ味見で切ってくれました。なんか愛情をたっぷり感じる味でした。お礼を言って歩いていくと、今度はビューティーサロンを見つけ友人が覗き込んでいます。プロ根性丸出しの彼、過去にも他国で何度も同じ光景に出くわしています。全く知らない店なのにズケズケと入って(私の尊敬する部分でもある、時には必要なずうずうしさ)写真を撮りまくっています。相手のアーティストさんも笑顔で受け入れて下さる。その節はありがとうございました。

外に出て、少し早いがレストランの新規開拓。まだ11時20分くらいです。町を歩いている人で、食通そうな40歳前後の感じの良いご婦人に尋ねる。この近くに美味しいレストランがありますか?なんと雨が降り始めて傘がないにも関わらず、濡れながら彼女のお奨めレストランに案内してもらう。お店の外の門に鍵がかかっていて、インターホンでオーナーを呼び出し、お客さんを案内した事を伝え、私を紹介し、彼女は立ち去られました。(実は向かう途中で、私が日本でイタリアレストランをしていることや、カッチャーニで息子がお世話になった事を言ってあった)お店のオープンまで、後一時間あると言われたが、彼女の紹介があってか、テーブルに着いて待つ。自家製の黒オリーブとパンをつまみ、地のワインを飲みながら開店を待つ。折角だから、この店でいただいたメニューを紹介、前菜の盛り合わせ、あまりイタリアのレストランではお目にかかれないので頼んでみたアーリオ・オーリオ エ ペペロンチーノ。プリモはもう一品お奨めのニョッキ。セコンドは一品だけで牛ロースのタリアータ・バルサミコソース。何ともダイナミックなメインであった。私たちが店を出始める2時くらいから数人の常連さんたちがぞろぞろとご来店。

駅に向かう途中で友人が眼下に広がるローマ市内の写真をしきりに撮っている(景色を撮ることは珍しい)。友人にもフラスカーティは気に入ってもらえたようで良かった。
帰りの電車は、大騒ぎの高校生で賑わっていた。

今日の分はこれくらいにしておきます画像をどうぞ!

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フラスカーティ行きのホーム

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ポルケッタをサービスして下さった方

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門を入ってからのZARAZA玄関

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アンティパスト ミスト

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現地レストランで初めて食べたアーリオ・オーリオ エ ペペロンチーノ

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少し小ぶりなニョッキで食べやすい。

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お肉も美味しかったが、付け合せのフィノキォが美味しかった。

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ついでにコントルノを頼むがホーレン草は品切れでチコリだった

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おいおい仕事も楽しすぎるのでは?

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プロは見られると気合が入るんですよね~

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遠くに見えるのがローマ市内

友人との二人旅(ローマ編2)

大阪では友人の大いびきに悩まされ、対策として関空で購入した耳栓がローマでは大活躍。みごと的中で熟睡。昨夜余りにも早く眠りすぎて、朝6時前に目が覚める。まだ外は薄暗いけど、駅のバールは繁盛している。焼き戻してもらったパニーニとカップチーノで早めの朝食を済ます。この雰囲気はイタリアでしか味わえない。街中のバールだと労働者の人たちでもっとイタリアらしいのだが・・・

少し部屋でくつろぎ、フロントのセーフティーボックスに貴重品を預け、街に出動。
テルミニからメトロでバルベリーニまで行き、トレビの泉経由で少し歩く。
観光はしないと言っても、ローマにくればバチカンのサンピエトロだけは見ないと気がすまない(俄かクリスチャン)。コルソ通りからバスに乗りバチカンに向かう。しかし、折角訪れたのに、寺院前の広場の半分まで椅子が並べられ、ロープが張ってある。それ以上は警備が厳しく特別なパスがないと入れない。修復工事の完成式典であろうか、誠に残念。直ぐ街に引き返し、ショッピングの好きな友人と別行動する。私は店のBGM用と、友人に頼まれたCDを買いに行く。そのうちバッタリと出会い、簡単に昼食を済ませる。またお互いに別行動し、私はシェフに頼まれた、ステンレス製品のチーズ卸し(お客様のテーブルでパルミジャーノを粉にして差し上げる)を買いにキッチン専門店に行き手に入れる。

最近は円高のせいで日本人の観光客が多いいはずなのだが、中国と韓国の人がとても目立った。やはり円高効果も、買い物は別として、旅行費用などタイムラグがあるのだろうか、日本国内経済の悪化のせいなのか・・・・。市内は噂に聞くほど汚れていなかったので、ほっとした。

夕食は業者の方のお奨めの店に行くつもりだった。というのはコロンナ広場近くで店名はアル・チェントロ。それだけでで聞けば解ると思い、アドレスリストをホテルに置いて来てしまった。コロンナ広場から中に入りパンテオンの方に・・・何度も聞いてみるがアル・チェントロというレストランは何処ですか?チェントロ(中央)はここだよ(そんなことは解っている)、そんな店はないとの事。何とも不親切な・・・以前行ったことがある店を思い出した。シチリア料理のお店「ロゼッタ」だが入ろうとすると、まだ開店前だと言う。食前酒でも飲んで待とうとしたが、それもダメ。仕方なく観光客は来ないだろうと思える路地を入ったピッツェリアで食事をする。友人は薄く焼いた塩味のフォカッチャをやけに気に入っていた。うちは生地が一緒なので言ってくれれば直ぐに出来るのに・・・・(でも帰ってからは、ピザ生地が余った時にはお客様にサービスで出すことにしよう)。ズッパとパスタ、セコンドはアッバッキォとサルティンボッカを頼むが、何ともボリュウムたっぷりで食べられない。やはりペイザンの子羊料理は美味しいなと思う(宣伝)。食事を終え、またコルソ通りに出てお互いに歩き疲れ、そこからはタクシーで(友人が嬉しそう)ホテルに帰る。CNNを見ながら日本での情報がないかを気にしながら、男二人の部屋でまた直ぐに眠りにつく。二日目終了!

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フォッカッチャとポモドーロ

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たっぷり360ccはありそうなミネストローネ

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サルティンボッカ

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アッバキョです。うちの子羊料理が愛しくなります

友人との二人旅(ローマ編1)

お昼発のアリタリアでローマ フィミッチーノ空港に向かい出発。
機内では電気系統の故障とかで、見たいビデオが何度も途中で止まり、同じシーンの繰り返し,前半の一部分しか見ることができなかった。民事再生のアリタリアだから、もっと努力しないとダメですよ。
13時間のフライトも、うとうとしながら着いてしまいました。
早速、空港からホテルに向かいチェックイン!部屋に入ると、これまでに泊まったことがないくらいマズイ部屋!男二人旅だからスタンダードで良いやと思ったのが間違い。ホテルのランクはやはり良い所に越したことはない。おまけにベッドのライトが切れていて、交換するようにフロントの青年に電話する。そして狭い部屋をチェックするとグラスもない。あるはずのドライヤーもない。何時までたっても電球の交換に来ない。堪忍袋の尾が切れた私はフロントに文句を言いに行く。私の様子を見て、やっと焦ったように電球やグラスを出し、ドライヤーも使って下さいとのこと。一応酷い部屋だったので、入り口に記載されている料金(イタリアでは必ず貼ってある)をチェックしてたのだが、この部屋は一泊幾らなんだとまで聞いてしまいました。料金の割には部屋が悪かった。

やっと落ち着き、近くのトラットリアに食事に行く。お皿に飾ってあった見事なポルチーニ茸もトリフォラーテにしてもらい一通り食事を終える。
しかし友人が隣の人が食べている物が食べたいと・・・・何やら重そうなものだが、あえてそのお客に尋ねると、オッソブーコであった。美味しいか確認すると、とっても・・・まぁ良いか~!仕方なく追加注文をする。
ドルチェは他のお客が食べていた小イチゴが美味しそうだったので、同じ物を頼むと、売り切れたと言う。マチェドニアを勧めるのでコンジェラートで頼む。エスプレッソで仕上げて、お腹一杯でホテルに向かい早々に眠りにつく。

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少しと言ったのですが、こんなに来ました。ややピンボケですが・・・